11月20日(木)2時間目に研究授業を行いました。道徳科「みさきさんのえがお」で、「誰に対しても分け隔てをせず、公正、公平に接しようとする態度を育てる。」をねらいに学習を進めました。
「みさきさんのえがお」は、学校の図書室で貸し出し当番をしている、主人公のぼくが、人気のある本が返却された際、その本を借りたいと予約していたみさきさんに貸すべきか、「その本、先に貸して、すぐ返すから。」と頼んできた、大の仲良しのしゅんやさんを優先すべきか、深く悩み葛藤する物語です。ぼくは、みさきさんを選択しています。「C 公正、公平、社会正義」について考える道徳教材で、主として集団や社会との関わりに関することを学ぶことを目的としています。




授業では、ロイロノートアンケート機能を用いて行ったアンケート「仲の良い友達を優先してしまうことはありますか」を提示し、本時のめあてに対する方向付けを行いました。児童は、「相手の友達が他の友達を優先したから、同じことをした。」、「ドッジボールで、仲の良い友達だけボールをゆずった。」など、結果を見ることを通して、仲の良い友達とそうでない友達では、接し方に違いがあるという現状を実感することができました。
そこで、本時のめあて「だれにでも同じたいどでいることは、なぜ大切なのだろう」を提示し、教材文全文を読み進めました。その後、登場人物3人とその関係性について、人物図を用いて確認しました。
中心発問である「しゅんやさんに貸してと言われて、すぐに返事ができなかった『ぼく』は、何を考えていたのでしょう。」では、「おにぎりタイム」が用いられました。
まず児童は、主人公ぼくの気持ちをロイロノートに記入しました。ロイロノートには、しゅんやさんに貸したいという気持ち(青)と、みさきさんに貸さなければいけないという気持ち(赤)の2枚のカードと、その気持ちを書くカードがあり、児童がどちらかの色を選択して書くことができるように工夫されていました。迷う場合は、赤・青の色ついた「心(ハート)」に別の色を足してもいいことも伝えられました。児童の入力や提示箱の様子から、友人関係を優先したいという感情と、ルールを守るべきという倫理的な判断との間で心が揺れ動く児童の様子を感じることができました。多くの児童が、赤(みさきさんに貸す)を選択しているが、青(しゅんやさんに貸す)が混ざる意見が6割をしめました。ここでは、できた児童から、フリートーキングで「おにぎりタイム」が行われています。
その後、全体の提出が終わった時点で、ペアの話合いに移行しました。自分の意見を分かりやすく伝えたり、うなずいて聞いたり、児童相互の話合いでは、主人公ぼくの気持ちに寄り添いながら真剣に考え、活発に意見を伝え合う様子が見られ、感心させられました。
全体の話合いでは、役割演技が用いられた。しゅんや役は先生、ぼく役は児童です。先生が、児童に「だまっていたら分からないよ。」、「どうしてもだめ?」、「ぼくは大の仲良しだよ。」と揺さぶりの声掛けをすることで、児童の多様な意見を引き出すことができました。児童は、「内緒で貸すなんてだめだよ。」、「先に頼まれたからだめだよ。」、「みさきさんが見ているかもしれないよ」と反応しており、この役割演技により、より考えが深まったことが伺えます。聞いている児童からも、「そうそう、そんなこともあるよね。」といったつぶやきもあったり、積極的な挙手があったり、この場面が45分の中で一番反応がよかったと感じました。
全体の発表でも、みさきさん、しゅんやさんについて意見を求めました。「みさきさんが先にいったから先だよ。」、「ルールだから」など、みさきさん側の意見が多い中、しゅんやさんに切り返した場面は、見事でした。「こわい、何を言われるか。」、「もめたりしそう。」といった意見を引き出せことも大きな成果です。さらに、青の割合が多い児童(赤50%・青50%)にも意図的指名をしています。「悩む気持ち」にも共感できたのできたと思います。
「おにぎりタイム」の中で、心情メーターや役割演技を活用し、自分の考えを伝えたり、友達の考えを聞いたりすることは、児童の考えを深めたり、広げたりすることにつながったと言えます。
先生は、ここで「みさきさんの笑顔を見て、『ぼく』はどんなことを考えたのだろう。」について考える場面を加えました。「あのときしゅんやさんに貸していたら、みさきさんの笑顔はなかった。」、「先に貸してよかった。」などの発言は、本教材の価値観につながる発言です。
授業の終末では、めあてに戻ることを確認し、「だれにでも同じ態度でいることは、なぜ大切なのか。」を考える場面を設定しました。ワークシートの記入に後に行った全体発表では、「同じ態度でなかったら、差別を感じる。」、「相手が悲しむかもしれない。」、「ほかの友達に信用されなくなる。」の意見が出ました。さらに、「誰にでも同じ態度でいるために、これからの生活でどんなことに気を付けたいですか。」と問い掛け、自分の生活にもつなげました。「みんなと仲良くする」「なかが良いからといって優先しない。」などの意見が出ており、授業の中で、自分で考えたり、友達の意見を参考にして考えたりする中で、自分事として考えを深めることができたいたことが分かりました。公正、公平に接することが、互いに信頼・尊重できる関係をつくることに気付いたのではないでしょうか。
先生と児童とのつながりを感じ取ることのできる45分でした。児童一人ひとりの揺れ動く心情を多面的にとらえており、授業の中で場面に応じて対応することもできていました。心情メーターの活用、役割演技、ロイロノートの活用など、授業の随所に、たくさんの提案が見られた貴重な研究授業でした。
11月19日(水)2時間目に研究授業⑦を行いました。算数科「計算のじゅんじょ」で「数量の関係に着目し、乗法の結合法則が成り立つことを理解するとともに、その法則を用いて計算することができる。」をねらいとして学習を進めました。




授業冒頭で、問題文「①のぼりぼうと木と校しゃの高さを比べました。②のぼりぼうの高さは3mです。③木の高さは、のぼりぼうの2倍です。④校しゃの高さは、木の5倍です。⑤校しゃの高さは、何mですか」を提示しました。問題文を模造紙で5段に分けて示したことは、児童の思考の整理に役立つ工夫の一つです。その後、児童とのやり取りの中で、3つの挿絵(のぼりぼう・木・校舎)を左から順に黒板に掲示し、問題文にラインを引きながら、※のぼりぼう(3m)の2倍は木(□m)、木の5倍は校舎(□m)を整理しました。挿絵を用いた丁寧な説明は、児童に問題場面を具体的に捉えることにつながりました。10倍(2倍の5倍)から計算する方が簡単であること、「まとめてかける」ことに気付かせることがこの問題のポイントとなります。
ここで児童に「どのような考えで解きますか。」と投げ掛けました。※黒板にある矢印で結ばれた3つの挿絵を用いて、今までにもしたことのある方法「じゅんにとく」「まとめてとく」を引き出した点は、その後の2つの方法で解く、一つの式にして比べるといった、明確な意図の表れだと感じました。ワークシートに黒板と同じ(※)ようにまとめさせたこと、「じゅんに」「まとめて」の2つの解き方を書くスペースがあったこと、2つの式をくらべて気が付いたことを書くスペースがあったことも工夫の一つです。
自力解決の場では、「A:じゅんに(①3×2=6 ②6×5=30)」、「B:まとめて(①2×5=10 ②3×10=30)」と、自分の解きやすい方法から解いており、多くの児童が2つの方法で答えを導き出すことができていました。自力解決が難しい児童に、図(※)と高さを示すメモリの入ったヒントカード1を渡したことは、指導の個別化と言えます。
その後の全体発表で、AからBの順に発表させ、それぞれの考え方の良さを捉えさせました。10×3=30(10倍の3m)では、いけないことを押さえたことは、式の意味を考えさせる上で大切な指導です。日頃の学習の足跡が見えました。
この後、本時のめあて「一つの式にかくには、どのようにすればいいのだろう。」を提示しました。協働的な学習の場面は、授業中盤のこの場面です。「おにぎりタイム」を設定し、個人→グループ活動→全体の流れで問題解決を進めました。
個人で考える場では、順に解く方法「a:じゅんに(3×2×6=30)」を表す児童が多くいる中、まとめて解く方法「b:まとめて(3×(2×5)=30)」にも気付く子どもも見られました。
ペアでの考える場面では、「そんなやり方もあるんだ。」、「そっちの方が簡単だね。」といった声が聞かれるなど、対話的な学びが自然に成立していました。ペアで互いの考えを伝え合う場を取り入れたことは、「自分の考えをどう伝えるか」を意識することにもつながっています。
その後の全体発表で、aからbの順に考えを整理しました。上のA・Bの①・②が下のa・bのどの部分に あたるか番号①・②を示しながらまとめたり、どこ(かっこ)から解くことを確認したり、丁寧に学習を進めました。特に、(かっこ)の位置で計算の順番が変わることに注目させた点は、見事でした。活動の中で、児童は、2つの式の違いに気付き、「どちらがやりやすいか」、「なぜその順番がいいのか」について、自分の姿で説明しようとする姿が見られ、児童の数学的な見方の育ちを感じることができました。
その後、本時のまとめとして「( )を使うと、まとめてかける考え方を一つの式に表すことができる。計算するじゅんじょを入れかえても答えはお暗示になる。」を提示し、練習問題を解くよう促しました。手が止まる児童に声を掛けたり、一人ひとりの考えに丸を付けたり、温かい声掛けの中、丁寧に机間指導する姿が印象的でした。
ふり返りでは、「( )がある方が簡単だと思いました。なぜなら2×5=10がやりやすいからです。」、「じゅんにより、まとめての方が計算しやすいと思いました。」といった言葉を聞くことができました。本時のねらいにつながる発言です。
児童は、「分かった」「できた」という手ごたえをつかんでいます。丁寧な授業づくり、児童に寄り添った問題解決等、たくさんの学びのある研究授業でした。
11月5日(水)5時間目に研究授業⑥を行いました。社会科「自動車をつくる工業」で、「自動車の生産における工夫について考えたり、話し合ったりする活動を通して組み立て工場で働く人々の工夫について、理解を深めることができる」をねらいに学習を進めました。




授業では、プレゼンテーションを用いて用語を確認しながら、前時の学習「自動車づくりは、組み立て工場で、プレス、溶接、塗装、組み立て、検査という流れで行われていること」をふり返ることを通して、本時のめあてに対する方向付けを行いました。子どもたちの活発な発言から、前時にそれぞれの工程の役割や工夫を熱心に調べ、理解している様子を伺うことができました。
前時の調べ学習の様子をロイロノート上で見てみると、多くの児童が「プレス・溶接・塗装・組み立て・検査」のそれぞれについて、何らかの情報を得ていました。
そこで、本時のめあて「工場で働く人々は、どのような工夫をして自動車をつくっているのだろう」を提示し、自分の伝えたい工夫をロイロノート(共有ノート)にまとめるように伝えました。話合いのツールには、班ごとに、ア:プレス・ようせつ・とそう・組み立て・検査・その他の6工程、イ:それぞれの児童が書くスペース、ウ:メモ・おすすめの工夫・紹介したいポイントが示されています。
子どもたちは、まず、それぞれに調べたことをロイロノート上で、6つの工程に分類しました。次に、各班4名で、調べたことを伝え合い、話し合うことを通して、「おすすめのポイント」をまとめました。
協働的な学習の場面は、授業中盤の小集団で話し合うこの時間「おにぎりタイム①」で見ることができました。子どもたちは、小集団の話合いにおいて、「話合いの役割カード」にある「司会・発表・黒板・メモ記録」に従って、熱心に意見を交換していました。ロボットや機械を使い、すばやくたくさんの自動車をつくっていることや、指示ビラを見ながら作業をすることで、注文に合わせた自動車をつくっていること、必要な時に必要な部品を注文し、無駄な部品がないようにしていることなど、互いに自らの学びを伝え合いました。考えを表に整理し、おすすめのポイントをまとめることで、自然と話合いが生まれ、自分の考えと友達の考えを関連付け、生産ラインの工夫をより詳しくまとめることができていました。ICTツールも用いて思考を視覚化して共有することは、児童が意欲的に話し合うために有効であったと考えます。
全体の発表「おにぎりタイム②」で、「班のおすすめの工夫をみんなに紹介しよう。」との投げ掛けがありました。プロジェクターで、児童が調べた画像や映像を黒板に映写した工夫は、特筆する点です。班ごとの発表では、プレスの加工は短時間でできること、組み立ての異常を知らせるお知らせボタンがあること、傷かつきにくいように塗装の工夫をしていることなど、各班、様々な視点でおすすめポイントが紹介されました。時間の短縮、品質を高める工夫、安心など、本単元のキーとなる言葉もたくさん見られました。
「おにぎりタイム①②」は、個別最適な学びとも言えます。タブレット端末内で、児童の学びをリアルタイムで確認できることは、子どもたちの思考、学びのプロセスを見取り、支援が必要な子どもに声掛けすることにつながります。指導の個別化と言えます。一方で子どもたちは、他者参照の機能があることで、自由に自分以外のスペースを覗きながら仲間の意見を参考にし、自分の考えをまとめることにつながりあした。これは、学習の個性化です。工程ごとに工夫をまとめて考えさせる活動は、子どもたちにとって思考を整理しながら考えることに有効でした。
これらの生産ラインにおける工夫は、単なる効率化にとどまらず、消費者が「より良いものを、より速く、より安く、安心して手に入れる」ことに直結しています。
本時の学習のふり返りで、子どもたちは「一人では調べ切ることができなかったけど、みんなの話を聞いて、もっと詳しく知ることができた。」など、協働的な学びの成果が見られる発言がありました。その後、先生から、生産後の流通について話を聞き、子どもたちは、消費者の視点の工夫をもつことができました。
ICTの活用による、個別最適な学びと協働的な学びの実践は、大きな提案のある貴重な実践でした。
冬の空は、透明度が高く静かで、時間とともに光と雲が刻々と表情を変えていきます。
12月6日(土)今日は、♪金管バンド部のお楽しみ会です。メンバーが心待ちにしている1日は、元気なあいさつと、楽しい会話から始まりました。いつもの土曜日のように8:45に音楽室にやってきて、いつもと違うのは楽器を手にしていないことぐらいで、ファミリーみんな、変わらない笑顔を見せてくれました。一段と輝く表情だとも感じました。



私たちは4月から、メンバーみんなで音を重ねてきました。夏の3つのステージで、大きな感動を得て、秋にはその流れのままに、運動会、校内音楽会で、私たちの音楽をつないできました。冬、クリスマス・ミニ・コンサートを前に、バンドの活動も落ち着いたころ、体育館と音楽室でレクリエーションを楽しむことになりました。
お楽しみ会の企画は、6年生が中心となって進めました。まずは、各パートで3つの遊びにしぼります。去年の楽しかった経験を思い出したり、新しい遊びを考えたり、どのパートも練習と同じぐらい熱心に話し合っていました。全体のミーティングでアイデアを持ち寄って、6つのパートそれぞれ違う遊びを話し合って決めるのですが、ここでも一生懸命に言葉を交わしていました。
パートの出し物が決まると、「みんなの思い出に残るお楽しみ会にしたい!」、「3~6年生みんなが楽しく過ごすには、どんな工夫があるといいだろう?」と、毎日の練習の合間をぬって、ゲームやプレゼント、賞状の準備を進めてきました。
部長さん、2人の副部長さんのあいさつで始まったこの日のお楽しみ会は、次のように進みました。①借り物障がい物競走(ユーフォニアム)・②おおかみさん今何時?(コルネット)・③リレー(チューバ)・④トロンボーン(爆弾ゲーム)・⑤パーカッション(フルーツバスケット)・⑥アルトホルン(宝さがし)、各パートで計画したゲームは、楽しい企画ばかりでした。
下級生への気遣いがあったり、友達へ声援を送ったり、仮装を楽しんだり、3~6年生みんなで笑顔の時間を過ごしました。忙しかった毎日の練習、この1年でいちばんゆっくりとした時間が流れているように感じました。
幸せな笑顔、明るい表情、喜び、嬉しさ、大笑い・・・、子どもたちは、一日のうちで様々な表情を見せてくれました。それは、空の表情にも重なりました。
クリスマス・ミニ・コンサートに向け、エネルギーをためる休符になりました。楽器を手にしない日も、澄み渡った空に包まれています。
11月10日(月)2時間目に、4年3組の公開授業を行いました。社会科「水とのたたかい・足立重信」で、「450年くらい前の農村の生活に興味・関心をもち、松山平野の地形の特徴や足立重信の治水工事の年表を基に、当時、地域にあった課題やそこに住んでいた人々の願いを捉え、学習問題をつくる。」をねらいに授業を進めました。



授業の冒頭では、わたしたちの住む、現在の余戸を中心とした航空写真を提示しました。野球場やプールのある中央公園は、2つの川(石手川・重信川)に囲まれていて、現在、人々が集う場所になっていることを確認しました。その後、今の様子と昔の様子の違いを3枚の絵地図で比較しました。子どもたちは「川の流れが違う!」「お城の場所が変わっている!」「余戸の人々は、いろいろな影響を受けていたのでは?」と次々に気づきを口にしており、社会的事象への興味関心が自然に高まっている様子が分かりました。年表や人物資料(加藤嘉明・足立重信)など、複数の情報を組み合わせた提示は、子どもたちが、「なぜ?」をもって資料を読み解き、思考を深めるきっかけとなりました。
その後、「加藤嘉明は、なぜ足立重信に川のつけかえを指示したのだろう。」と、発問すると、子どもたちは、「お城を守るため?」「洪水を防ぐため?」と、それぞれの仮説を根拠とともに話し合う姿が見られました。人々の願い・地形・時代背景をつなげて考える様子を伺うことができました。
「おにぎりタイム」では、「足立重信は、何のために、どのように重信川と石手川を工事したのだろう。余戸の人々のくらしは、工事によってどのように変化したのだろう。」について話合いました。話し合う前には、2年生の虫取りの写真(重信川付近)を示すことで、川の大きさを体感したり、3年生で学んだ、約200年後の森盲天外の業績(米作りに力を注ぐ)をふり返ったりすることで、土地が豊かに変化している様子を未来志向で考えさせました。
子どもたちは、「おにぎりタイム」で、次のように意見を出しています。
「川側からと海側からの両方で、川をせき止めて、たくさんの人が手作業で工事をしたのではないかな?」 「余戸の人々は、川の被害が少なくなって、農作業がしやすくなったのかな?」
授業では、450年前の松山の姿から、足立重信の治水事業へと時間軸をたどることで、子どもたちが「地域の課題と人々の願い」に迫っていく構成ができました。郷土を題材とした学びを通して、地域を誇りに思う気持ちを育てることにもつながりました。
次時以降、重信川の付けかえや森盲天外の活動を関連づけて追究することで、「郷土を築いた人々の努力や願い」に気づく学びへと自然につながっていくように、学習を進めていきたいと思います。
5・6年生の情報委員会の子どもたちが、日々の生活の中で発見したことを記事にしています。写真や原稿は、できるだけ子どもたちが作成したままで、校正を控えていますので、ご理解ください。情報委員会の活動をぜひ、ご覧ください。
【情報委員会通信 第16号】
今回は、11月に6年生の情報委員会の子どもたちが作成した記事を紹介します。
「ヤクルト・スワローズの選手のみなさんと交流」
11月5日(水)3時間目に、6年生は、ヤクルト・スワローズの選手のみなさんと交流しました。今回の情報委員会通信では、私たち6年生の感想をまとめてみました。





〇今日、プロ野球チーム、ヤクルト・スワローズから、2人の選手が余土小学校に来てくれました。キャッチボールを見せてもらったり、質問に答えていただいたり、とてもうれしい交流の時間になりました。(6年生)
〇選手のみなさんとキャッチボールをすることができて、とても感激しました。お手本で、選手の2人は、とても強いボールを投げていて、びっくりしました。当たり前だけれども、レベルが高いなあと思いました。そして、選手の人にアドバイスをもらって、ぼくもキャッチボールをしました。とても楽しい交流になりました。(6年生)
〇ヤクルト・スワローズの選手のプロの技に観劇しました。お話してもらったことで、心に残っているのは、「毎日、後悔しないように生きている。」ということです。自分もそんな風に生きていきたいと思いました。(6年生)
〇ヤクルト・スワローズの選手と余土小のみんなでキャッチボールをしました。選手の人は、コントロール抜群で、とても取りやすかったです。キャッチボールでミスしても、「大丈夫?!」心配してくれました。今、松山でキャンプをしているそうなので、友達とその様子を見にいきたいと思います。(6年生)
〇余土小学校にヤクルト・スワローズの選手が来てくれました。プロの選手といっしょにキャッチボールをすることができてうれしかったです。最後の集合写真は、思い出になりました。(6年生)
11月5日(水)3時間目に研究授業⑤を行いました。道徳科「雨のバスていりゅう所で」で、「約束やきまりを守るために大切なことを考え、約束やきまりを守ろうとする意欲を養う。」をねらいに学習を進めました。
「雨のバスていりゅう所で」は、主人公のよし子が、先にバス停の雨宿りをしていた人たちの列を追い抜いて一番前に行くが、母親に静かに連れ戻され、無言の母親の姿を通して自分の行いをふり返る物語です。「C 規則の尊重」について考える道徳教材で、集団生活における相手や周りの人の立場を考える大切さを学ぶことを目的としています。




授業では、事前にとったアンケート「身の回りにある約束事やきまり」を提示し、本時のめあてに対する方向付けを行いました。この場面で、アンケートを、A:自分や家のきまりとB:学校や社会のきまりに整理しました。児童は、「ろうかを歩く。」、「ゲームは1日〇時間」など、結果を見ることを通して、約束やきまりを守ることができていないという現状を実感することができました。
そこで、本時のめあて「約束やきまりを守るために大切なことは何だろう。」を提示し、場面ごとの挿絵を黒板に貼りながら、教材文全文を読み進めました。
まず、「よし子が停留所で先頭に並ぶ場面」では、「よし子は、どのような気持ちで先頭にならんだのだろう。」と投げ掛けました。全体発表では、「席に座るために、早く乗りたい。」、「お母さんの分も席を取りたい。」、「時間がかかる、先頭の方が早かった。」など、多くの児童の声を聞くことができました。
その後、この場面で心情メーターを活用し、主人公の気持ちを考えさせました。児童は、円形の表示板を手に、よし子の行動の良し悪しを、「心(ハート)」の色で表しました。提示している様子から、「よし子の行動は良い(赤)」と「悪い(青)」と迷う児童の様子を感じることができました。どちらかと言うと、赤(自分の行動が良い)が多い傾向が見られました。
次の中心発問にあたる「だまって立っているお母さんの顔を見て、よし子はどんなことを思ったのだろう?」でも、心情メーターを活用しました。こちらの場面では、青(悪い)が増えています。自作の「心情メーター」で、自分の考えを直観的に表現することができるようにしたことは、話合いの活性化や児童の多角的な話合いにつながったと考えます。
この場面で「おにぎりタイム」を設定しました。「おにぎりタイム」の視点は、「同じところ、違うところを探す。」です。まず、ワークシートに「よし子」の気持ちを記入し、その後、ペアの話合いに移りました。「自分の意見をしっかりと伝える。」、「相手の発表をうなずきながら聞く。」など、活発に意見を伝え合う様子に感心しました。全体の発表でも、「不思議、なぜお母さんは、私を止めたのだろう?」、「しなければよかった。雨宿りの順番で並ぶべきだった。」、「先に乗るべき人がいた?」など、よし子が思い悩むたくさんの意見が出ており、「おにぎりタイム」で話し合ったことが、自分の考えを広げたり、深めたりすることにつながる場として有効に働いたことが分かりました。「同じ人」、「違う人」と、発表をつなぐ投げ掛けもよくできていました。
切り替えしの発問で、「よし子は、何に気を付けるとよかったのだろう。」を問い掛けた場面は、見事でした。「周りの人のことを思って行動するとよかった。」という、児童の発言がそれを物語っています。事前のアンケートをふり返った部分も素晴らしいと思いました。よし子が守れなかった約束は、心で感じるきまり「マナー」に当たります。アンケートにも出てきた、書いてあるきまり「ルール」と比較することを通して、児童は、相手意識をしっかりともち、周りの人のことを考えて行動する大切さに気付いたのではないでしょうか。
授業の終末では、「今日の学習を踏まえ、これまでの生活をふり返り、今度、どのように生活していきたいか考えよう」と問い掛け、考える場を設定しました。ワークシートには、児童が自らの生活をふり返り、考えた様子が具体的に記されていました。授業の中で、自分で考えたり、友達の意見を参考にして考えたりする中で、自分事として考えを深めることができたいたことが分かります。
最後に、先生は、「使った場所は、来たときよりも美しく」という学生時代のサッカー部の経験を説話として用いました。「次の人のことを考えて」とのまとめは、相手意識の大切さ伝えることにつながったと思います。
先生と児童とのつながりを感じ取ることのできる45分でした。児童一人ひとりの心情を多面的にとらえており、授業の中で存分に引き出すことができていました。心情メーターの活用など、新しい授業づくりにも前向きに挑戦する姿勢に感心した研究授業でした。
10月31日(金)2時間目の理科室です。
5年1組の子どもたちが、理科「流れる水のはたらき」で、学習問題「流れる水のはたらきで、石の形が変わるだろうか」を追究しています。




今回の実験に使っているのは、生け花用のスポンジです。この実験では、スポンジが川原の石の代わりになっています。プラスチック容器に、スポンジを入れて水を入れ、ふたをして何度もふる作業を続けます。ふるという行為が、川の流れの速さや水量の大きさを表しています。
「どんどん、角が取れていっているね。」
もともと3cm角のスポンジは、50回ふると角が少しとれてきました。
「小さくなってきたよ。横幅が1cmということは、もとの大きさの半分以下になっているね。」
さらに100回、150回とふると、小さく丸くなりました。
流れる水には、川原の石をより小さく、角をけずり丸みをおびた形に変えるはたらきがあることが分かりました。
実験結果は、タブレット端末を使ってまとめました。もとの大きさ、50回ふったとき、100回ふったとき、150回ふったときの写真を比べると、小さく形を行く様子がはっきりと分かりました。実験で使ったスポンジに、物差しを添えて写真を撮ることも、まとめのこつです。
本単元では、身近な生活とつなげて、増水した川の水によって起こる災害と,災害を防ぐくふうを調べる予定になっています。5年生のみなさん、今、進めているたくさんの実験を身近な生活にもつなげていきましょう。
5年生は、10月の理科「流れる水のはたらき」で、流れる水のはたらきと土地の変化について、学習を進めています。
外での活動では土山を作って、理科室では流水実験装置を使って、観察・実験を繰り返しています。土地のかたむきの大小による違い、水の量による違いなど、子どもたちの様々な疑問から生まれた学習問題を、一つずつ解決しているところです。



実験を通して、どの子どもも、流れる水には、土地を浸食したり、石や土などを運搬したり堆積させたりする働き、浸食・運搬・堆積があることを具体的に理解することができました。観察・実験を通して、「曲がった川の内側と外側ではどうだろう?」、「流す水が多いときは、大雨の時と同じ現象が起きているね。」など、新しい疑問や生活につながる発見があったようです。
観察・実験を通して学習問題を解決する楽しい単元となっています。
写真は、10/28(火)1・2時間目の5年4組のみなさんの活動の様子です。タブレット端末を活用して動画に記録することで、実験結果のまとめ、考察に生かしています。観察・実験の技能、予想や考察をする力は、このような活動を通して、身に付いています。