研究授業③(1年2組)
2025年10月17日 08時00分 9月24日(水)2時間目に1年2組で研究授業③を行いました。国語科「かん字のはじまり」で「習った漢字を書き、文の中で使うことができる。」をねらいとして学習を進めました。本時は、単元の終末にあたります。
授業冒頭では、漢字カード(絵と漢字が組み合わされたもの)を提示して、「山」「月」「木」(象形文字)「上」「下」(指示文字)など、これまでの授業で学んだ11の漢字の読み方を確認しました。テレビ画面では、漢字が成り立つ様子の絵図が示され、「自然の形をかたどってできている漢字」や「点や線の記号でできている漢字」など、子どもたちが、これまでの学習の学習をふり返ることができるよう工夫していました。子どもたちのつぶやきから、漢字への関心や意欲が高まっている様子も伺うことができました。
次に本時のめあて「かん字をつかったぶんをかいて、つたえあおう。」を提示し、「どんな文ができそう。」と、全体に伝えました。「山でキャンプをする。」のような短い文、「日よう日、山の川であそんで木の下でやすむ。」といった漢字がたくさん入った長い文と、指名された子どもは、それぞれの視点で文を発表しました。そこで、「が」や「は」、「へ」の入った文にレベルアップすることを投げ掛けました。その後、数名の子どもの発言が続き、助詞を含んだ文も見られるようになりました。このような授業中盤までの丁寧な全体指導は、子どもたち一人ひとりが、その後の個人活動に見通しを持つことにつながったと考えます。
個別活動に入るタイミングで、ワークシートが配付されました。表面は自由形式、裏面は助詞が示された内容です。同時に、文作りのヒントとして、テレビ画面に川で子どもが遊んでいる様子をはじめとする3つのイラストカードの提示がありました。
個人での文作りでは、様々な工夫を見ることができました。文作りに悩む子どもに用いられた、補助イラストカードや先生の机間指導は、指導の個別化の視点と言えます。一方で、主題や主語の特定に用いられる「は」「が」、方向や場所を示す「へ」「で」などの助詞が含まれた枠がワークシートの裏面にあること、できた児童に、複数の漢字を使った文や他の文を考えるように促したこと、2枚目に挑戦しても良いと伝えたことは、学習の個性化の視点と言えます。
子どもたちは、個別活動の中で、たくさんの文を作っており、漢字を含んだ文を進んで書こうとする意欲を感じることができました。個別最適な学習の中で、漢字の読み、書き、文中での活用が進んでいることが分かります。
協働的な学習の場面は、授業の後半部分「おにぎりタイム」で見ることができました。自分の作った文をグループで伝え合う場面で、先生は、話し合う視点として「『話すこと』『聞くこと』にしっかり取り組むこと」、「何か言葉を返してあげること」の2つを例示しました。
子どもたちは、友達と作った文の紹介を意欲的に行いました。全体発表でも、「〇〇さんの文にはたくさん漢字が入っていてすごい。」、「『は』や『へ』も入っていてすごい。」など、友達との関わりを通してしか得ることのできないたくさんの発見がありました。個人から全体への流れの中行われた「おにぎりタイム」は、文の中で正しく漢字が使えているか確かめたり、同じ漢字でも複数の文を作ることができることに気付いたりすることのできる場となっており、協働的な学習の中核として有効に働いたことが分かりました。
本時のふり返りには、「ふり返りカード」が用いられました。人の表情がイラストで示されており、塗ることで自己評価を行う方法となっています。毎回のふり返りが積み重ねられていること、「かんじを べんきょうして おもったこと」を書く部分があることなど、たくさんの工夫が見られました。「漢字の文を作るのが楽しかった。」、「友達が長い文(漢字がたくさん入った文)を作っていてすごかった。」、「友達と伝え合うのが楽しかった。」、子どもたちのこれらの発言いずれからも、本時のねらいが達成できていることが分かりました。
丁寧な授業づくり、一人ひとりの子どもへの真摯な関わりなど、学ぶべき点がたくさん見られる貴重な授業実践になりました。