研究授業⑩(5年3組)
2026年1月5日 08時00分 12月23日(火)3時間目に研究授業⑩を行いました。道徳科「くずれ落ちただんボール箱」で、「見返りを求めず、相手の立場に立って親切にしようとする。」をねらいに学習を進めました。
「くずれ落ちただんボール箱」は、ショッピングセンターに友人と買い物に出掛けた主人公が、通路に積んであっただんボール箱を、男の子が崩してしまったところに通り掛かるという内容から始まります。男の子が迷子にならないように、男の子と一緒に来ていたおばあさんの代わりにだんボール箱の積み直しを手伝っていると、店の人に注意を受けます。(※本時は、ここまでを扱っています。)後日、店から学校に誤解のお詫びと親切な行動への感謝の手紙が届き、全校朝会で紹介されるという物語です。「B 親切 思いやり」について考える道徳教材で、思いやりの心をもち、相手の立場に立って親切にすることを学ぶことが内容項目となっています。
授業の冒頭では、教材の題名を紹介し、本時のめあて「親切にすることは、どういうことだろう。」を提示しました。そして、「親切にしたことや、されたこと」について児童に尋ねました。「たおれている自転車を直した。」、「けがをしたときに助けてくれた。」など、たくさん児童の発言を共感的に受け止め、本時のねらいとする価値への方向付けを行っています。
教材文は、(前述のとおり)途中まで読み進められました。その後、挿絵を使って登場人物を確認し、児童とのやりとりの中で、主人公が「くずれ落ちただんボール」を片付けるという親切を行ったことを確認しています。
まず、店員に叱られたときの主人公の気持ち(ワークシート1)について、児童に意見を求めました。全体発表の中で、「どんな気持ちがしたのか」を問うと、児童はまず、「むしゃくしゃした。」や「なんで叱られたのだろう。」、「親切心で片付けたのに、なぜ理由も聞かずに起こったのだろう。」と、店員さんに対する感情を発言しました。ここで、2つの切り返しをします。「店員さんに対してだけ?」には、「そんなんだったら、手伝いをしなければよかった。」と「そもそもあの男の子が悪い。」という考えが、「おばあさんがいたらどうだった。」には、「おばさんがいたら怒られなかった。」や「なぜ、周りの大人は話してくれないの?」という考えが聞かれました。これらの考えは、親切の裏にある、見返りを求める心情だと言えます。この一連の流れは、親切の価値について考える上で重要な役割を果たしており、中心発問につながる効果ある取組でした。
中心発問にあたる「せっかく親切にしたのに主人公はどんな『モヤモヤ』を感じていたのでしょう。」では、「おにぎりタイム」が用いられました。
ねらいに迫る手立てとして、役割演技を用いました。ここでは、主人公・店員・おばあさんのやりとりで「叱られた場面」を取り上げています。児童は、3人グループで、店員の「ここは遊び場じゃない!」、主人公の「すみません」の言葉に続けて、役割演技をしていました。グループで生き生きと活動する様子が印象的でした。
全体発表でも、複数の班の発表がありました。「私の孫がくずしてしまったんです。」といったおばあちゃん側の意見や「勘違いしていました。」という店員さん側の意見が目立ちました。
ここで、主人公の本当の親切について考えました。3人の役割をしてどんな気持ちだったのかを整理した場面では、主人公の気持ちとして、「誤解とけた。」という言葉がでました。気付いたことを記入(ワークシート2)した後にも、「主人公が、あやまるのはすごいと思った。」、「ぼくなら理由を話すと思う」との考えが聴こえてきました。主人公が見返りのない親切をしたことに着目することができました。
その後も、学校に感謝の手紙が届くという、物語の続きの紹介がありました。「この親切は、やってよかった?」や「手紙がなかったらどう?」、「見返りがあるからしたの?」との切り返しに対する、児童の「困っていたら助けたい。」との発言は、本時のねらいそのものです。道徳的価値にさらに深く迫ることができたと考えています。
今日の活動では、児童の素直な言葉が聴こえてきました。「おにぎりタイム」の中で、役割演技で登場人物の会話や気持ちを想像させたことは、多様な考えを引き出すことにつながりました。児童のきらりと光る発言は、ねらいとする道徳的価値につながるものだとも考えます。児童理解の上に成り立つ45分は、貴重な提案授業でした。
※余土小学校のホームページは、冬休み中も更新しています。時間があるときに、ぜひご覧ください。