調べ学習の発表にひと工夫を(4年生)
2025年12月30日 08時00分 12月12日(金)5・6時間目に公開授業を行いました。社会科「水とのたたかい・足立重信」で、「足立重信の働きに触れることを通して、地域への誇りや愛情をもつことができるようにする。」をねらいに授業を進めました。本時は、単元の11/12、調べ学習の発表場面です。子どもたちは、これまでに①松前城・②なぜ川を動かしたのか・③足立重信・④どうやって動かしたか・⑤松山のくらしの変化・⑥余土のくらしの変化・⑦重信川・石手川の7つのテーマに分かれ、グループで調べ学習を行ってきました。
本時は、松山ゆかりの偉人や歴史、文化が掲載された「ふるさと松山学」のうちの一つ、松山だんだん物語を活用しながら、学習を展開しました。授業の冒頭では、この本にある「重信川 川に名を残した男」の紹介をした後、本時の練り合い高め合いのテーマ「ふるさと松山学『足立重信 川に名を残した男』の主人公になろう。」を提示し、調べたことをもとに、物語をより詳しくしようと投げ掛けました。個々に追求してきたことについて話し合わせ、学習問題について多面的・多角的に思考・考察させることをねらいとしたものです。
実際には、次のようになります。
T1が、「(・・・)嘉明は、二十万石ものりょう地を治めるとの様になりました。しかし正木城は、あまり大きな城ではありませんでした。」と読み進めると、T2にバトンタッチして、「正木城(松前城)」グループが発表する、「さらに近くを流れる伊予川(後の重信川)もたびたびこう水を起こして人々を困らせていました。」では、「なぜ川を動かしたか」グループ、「ある日、嘉明は、家来の足立半左衛門重信を呼びました。」では、「足立重信」グループへとつなぐ流れです。
さらに、グループの発表の間には、その場面での足立重信の気持ちを、全体に問う場面も随時設定しました。子どもたちは、足立重信が川のつけ替えを命じられた場面では、「大変な工事になりそうだ。」、川の工事をする場面では、「みんなを安心させたい。」「田畑を増やしたい。」と、考えを述べています。テーマを工夫することは、練り合い高め合いの質を高めることにつながることが分かりました。
物語の終盤では、次のような記述があります。「今、重信川と石手川の土手には、たくさんの松の木が残されています。それは、足立重信が堤防を丈夫にしようとした跡なのです。」、これは、多くのグループの調べ学習でも見ることができた内容です。T1が余土小学校の校歌を示すと、歌詞「石手の土手の松みどり」は、足立重信の工事と余土小学校の校歌に関連があるのではと仮説を立てる子どもも見られました。
これらの活動により、子どもたちはこれまでの学習を振り返り、足立重信のはたらきについて具体的に理解できるようになったと考えます。
子どもたちの調べ学習に、「余土のくらしの変化」が見られたことは、本単元の大きな成果でした。足立重信の川の工事の後、余土の人たちは、たびたび洪水に襲われます。「物語には、続きがあるのでは?」、そんな風なつぶやきも聞かれました。これは、次の時間に学習予定です。
〇いろいろな班の発表を聞いて初めて知ることがたくさんありました。正木城は、ふりな点があったことは、予想できていませんでした。だから、城も川も動かしたのだと分かりました。
〇わたしは、足立重信に感謝したいです。昔の人はよく大きな川、そして大規模な工事をしたなあとおどろきもあります。とてもよい勉強になりました。
〇川に人名がついたこととか、重信川が暴れ川だったこととか、田畑や城を守るため川の工事をしたとか、いろんなことが分かりました。余土のまちに関わる続きの話がありそうなので、いっぱい調べたいと思います。
社会科日記には、上のような記述がありました。自分と社会とのつながり、よりよい未来の在り方を考える姿とも受け取ることができます。
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