卒業式(6年生)

2024年3月23日 08時00分

校長式辞」

 校庭に降り注ぐ柔らかな日差しと、頬に感じるあたたかな風に春の訪れを感じるようになりました。

 たくさんのご来賓の方々のご臨席を賜り、令和5年度卒業証書授与式が挙行できますこと、誠に喜ばしく、心より御礼申し上げます。

 卒業生の皆さん、ご卒業おめでとうございます。

 今年度1学期に、みなさんに、自分がやりたいこと、学校に望むことを書いてもらいました。そこには、「学校のために何かをつくりたい」「地域に役立つことをしたい」という「夢」がたくさん書かれていました。みなさんは、夢みる余土小プロジェクトとして、仲間と協力してベンチづくりを、デザインを描くことから始め、卒業記念品として学校や地域に贈るということを、利他の精神で成し遂げました。

 このように、みなさんの手で、「夢」を「かたち」にできたのは、みなさんがこれまで培ってきた力の結晶だと思います。そしてその活動の中でも、協力していただいた方への感謝を決して忘れないところ、さすがでした。

 その姿は、在校生たちの心に残り、必ず引き継がれると思います。また地域の人たちの心にも残ることでしょう。

 そんなみなさんの手についてお話します。

 みなさんは、6年前、おうちの方に手をつないでもらって、どきどきしながら小学校の門をくぐってきたことと思います。

 みなさんの手は、小学校に入学してきたとき、どれぐらいの大きさだったと思いますか。自分の手を見てください。今のあなたの手、指を除いた「たなごころ」、手のひらの部分、そこにその大きさの5本指の小さな手を想像してみてください。その大きさが、あなたの6年前の手の大きさとほぼ同じくらいです。小さかった手が、ずいぶん大きくなったことが分かると思います。

 6年間、その手で何をつかんできたでしょうか。

 友達と手をつないで遊んだこと。鉛筆を握り、学習に励んだこと。鉄棒を握り、また、ボールを投げ、運動に励んだこと。思い通りにならず、悔しくて握りしめたこと。涙をぬぐったこと。友達の背中にそっと手を当てて励ましたこともあったかもしれません。

 成長してきた手。その成長は、自分が頑張ってきたからだけではありません。そこには、おうちの方の思いや願い、先生や友だちの気持ち、愛情や友情など、たくさんの人たちの心がこもっています。それを考えながら、今一度、自分の手を見つめて、今から言うことを胸に刻んでください。

 「自分も人も大切にする」

 みなさんは、おうちの方たちの 元気に成長してほしい、友だちをつくり、楽しく、生き生きと過ごしてほしいという願いを受けながら育ってきました。みんな誰かの大切な人なのです。命を大切にしてください。心を大切にしてください。自分の命や体を粗末にすること、友達の心や体を傷つけること、これは絶対にあってはいけません。このことを忘れないでください。

 保護者の皆様、お子様のご卒業おめでとうございます。お子様がこのように健やかに立派に成長された姿をご覧になり、また 入学してからの6年間の成長を振り返り、感慨もひとしおのことでしょう。心よりお祝い申し上げます。

 本校の教職員も精一杯、お子様の成長を願い、支えてきたつもりではありますが、至らなかったところも多々あり、申し訳なく思っております。

 本校の教育活動にご理解、ご協力、ご支援をいただきまして、本当にありがとうございました。お子様のますますのご成長を教職員一同、心から願っております。

 本日、余土小学校を卒業する皆さんのご活躍、成長を祈念し、式辞といたします。

令和6年3月22日 松山市立余土小学校 校長

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「門出の言葉」

 未来に向かって、今、旅立つわたしたち。春の光につつまれて、わたしたち140名は、この余土小学校を卒業します。

 在校生のみなさん、余土小学校のバトンをみなさんにたくします。「やさしく かしこく たくましく」の校訓のもと、一人ひとりが自分のよさを生かし、みんなで力を合わせて、夢と笑顔いっぱいの余土小学校を築いてください。

 助け合い、励まし合い、共にすごした6年間。

 大きなランドセルに、夢と希望をいっぱいつめこんだ入学式。余土の魅力を知り、余土のまちが大好きになったまちたんけん。人々の生活にとって、やさしい環境は何かと考えた「共に生きよう」。班で力を合わせて、ゴールを目指した、集団宿泊活動でのオリエンテーリング。戦争の恐ろしさを知り、平和を祈った修学旅行。仲間と協力し、最後までやりきった運動会。全校で、美しい音色を奏でた校内音楽会。自分たちの夢を形にした卒業制作ベンチ作り。

 入学してから6年間、いつもそばには仲間がいた。

 感動を分かち合い、絆を深めたすてきな仲間。元気を、勇気を、やさしさをくれた大切な仲間。

 仲間がいたから笑顔になった。

 自分を信じて、仲間を信じて、明日という未来に向かって、仲間と共に学び見つめた自分らしい生き方を大切にしたい。今のこの自分を、そして、わたしたちの余土小学校を。

 優しく見守ってくださった地域の皆さん、教え導いてくださった先生方、お世話になりました。大きな愛で、育ててくれた大切な家族、相談にのってくれてありがとう。いつも、味方でいてくれてありがとう。温かく包んでくれてありがとう。一人じゃないって思えました。わたしたちを支えてくださったすべての方々に、感謝の気持ちを心から伝えたい。ありがとうございました。

 わたしたちは、進みます。自分を信じて、夢に向かって一歩。明日へ向かって一歩。

 余土小学校で過ごしたすばらしい日々。大切な余土小学校、思い出いっぱいの余土小学校。

 ありがとう余土小学校。