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研究授業⑧(3年3組)

2025年12月16日 08時00分

 11月20日(木)2時間目に研究授業を行いました。道徳科「みさきさんのえがお」で、「誰に対しても分け隔てをせず、公正、公平に接しようとする態度を育てる。」をねらいに学習を進めました。

 「みさきさんのえがお」は、学校の図書室で貸し出し当番をしている、主人公のぼくが、人気のある本が返却された際、その本を借りたいと予約していたみさきさんに貸すべきか、「その本、先に貸して、すぐ返すから。」と頼んできた、大の仲良しのしゅんやさんを優先すべきか、深く悩み葛藤する物語です。ぼくは、みさきさんを選択しています。「C 公正、公平、社会正義」について考える道徳教材で、主として集団や社会との関わりに関することを学ぶことを目的としています。

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 授業では、ロイロノートアンケート機能を用いて行ったアンケート「仲の良い友達を優先してしまうことはありますか」を提示し、本時のめあてに対する方向付けを行いました。児童は、「相手の友達が他の友達を優先したから、同じことをした。」、「ドッジボールで、仲の良い友達だけボールをゆずった。」など、結果を見ることを通して、仲の良い友達とそうでない友達では、接し方に違いがあるという現状を実感することができました。

 そこで、本時のめあて「だれにでも同じたいどでいることは、なぜ大切なのだろう」を提示し、教材文全文を読み進めました。その後、登場人物3人とその関係性について、人物図を用いて確認しました。

 中心発問である「しゅんやさんに貸してと言われて、すぐに返事ができなかった『ぼく』は、何を考えていたのでしょう。」では、「おにぎりタイム」が用いられました。

 まず児童は、主人公ぼくの気持ちをロイロノートに記入しました。ロイロノートには、しゅんやさんに貸したいという気持ち(青)と、みさきさんに貸さなければいけないという気持ち(赤)の2枚のカードと、その気持ちを書くカードがあり、児童がどちらかの色を選択して書くことができるように工夫されていました。迷う場合は、赤・青の色ついた「心(ハート)」に別の色を足してもいいことも伝えられました。児童の入力や提示箱の様子から、友人関係を優先したいという感情と、ルールを守るべきという倫理的な判断との間で心が揺れ動く児童の様子を感じることができました。多くの児童が、赤(みさきさんに貸す)を選択しているが、青(しゅんやさんに貸す)が混ざる意見が6割をしめました。ここでは、できた児童から、フリートーキングで「おにぎりタイム」が行われています。

 その後、全体の提出が終わった時点で、ペアの話合いに移行しました。自分の意見を分かりやすく伝えたり、うなずいて聞いたり、児童相互の話合いでは、主人公ぼくの気持ちに寄り添いながら真剣に考え、活発に意見を伝え合う様子が見られ、感心させられました。

 全体の話合いでは、役割演技が用いられた。しゅんや役は先生、ぼく役は児童です。先生が、児童に「だまっていたら分からないよ。」、「どうしてもだめ?」、「ぼくは大の仲良しだよ。」と揺さぶりの声掛けをすることで、児童の多様な意見を引き出すことができました。児童は、「内緒で貸すなんてだめだよ。」、「先に頼まれたからだめだよ。」、「みさきさんが見ているかもしれないよ」と反応しており、この役割演技により、より考えが深まったことが伺えます。聞いている児童からも、「そうそう、そんなこともあるよね。」といったつぶやきもあったり、積極的な挙手があったり、この場面が45分の中で一番反応がよかったと感じました。

 全体の発表でも、みさきさん、しゅんやさんについて意見を求めました。「みさきさんが先にいったから先だよ。」、「ルールだから」など、みさきさん側の意見が多い中、しゅんやさんに切り返した場面は、見事でした。「こわい、何を言われるか。」、「もめたりしそう。」といった意見を引き出せことも大きな成果です。さらに、青の割合が多い児童(赤50%・青50%)にも意図的指名をしています。「悩む気持ち」にも共感できたのできたと思います。

 「おにぎりタイム」の中で、心情メーターや役割演技を活用し、自分の考えを伝えたり、友達の考えを聞いたりすることは、児童の考えを深めたり、広げたりすることにつながったと言えます。

 先生は、ここで「みさきさんの笑顔を見て、『ぼく』はどんなことを考えたのだろう。」について考える場面を加えました。「あのときしゅんやさんに貸していたら、みさきさんの笑顔はなかった。」、「先に貸してよかった。」などの発言は、本教材の価値観につながる発言です。

 授業の終末では、めあてに戻ることを確認し、「だれにでも同じ態度でいることは、なぜ大切なのか。」を考える場面を設定しました。ワークシートの記入に後に行った全体発表では、「同じ態度でなかったら、差別を感じる。」、「相手が悲しむかもしれない。」、「ほかの友達に信用されなくなる。」の意見が出ました。さらに、「誰にでも同じ態度でいるために、これからの生活でどんなことに気を付けたいですか。」と問い掛け、自分の生活にもつなげました。「みんなと仲良くする」「なかが良いからといって優先しない。」などの意見が出ており、授業の中で、自分で考えたり、友達の意見を参考にして考えたりする中で、自分事として考えを深めることができたいたことが分かりました。公正、公平に接することが、互いに信頼・尊重できる関係をつくることに気付いたのではないでしょうか。

 先生と児童とのつながりを感じ取ることのできる45分でした。児童一人ひとりの揺れ動く心情を多面的にとらえており、授業の中で場面に応じて対応することもできていました。心情メーターの活用、役割演技、ロイロノートの活用など、授業の随所に、たくさんの提案が見られた貴重な研究授業でした。