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2013年12月9日(月曜日)

森盲天外物語11

カテゴリー: - hp-admin @ 12時39分02秒

連載

森盲天外物語11

− 郷里(余土)のみんなに会いたい−

去年の9月に入院してから、
もう桜の季節になっていました。
河本博士を中心に、懸命の手当がなされましたが、
左の目の回復は望めなくなっていました。
その頃から、恒太郎は、郷里の母や子どもたちに会いたい、
目が見える内にみんなの顔を見ておきたい、
会って話がしたいと思うようになりました。
母に、帰ると手紙を書いて、妻と二人で東京の町に出て、
二人の子どもや母におみやげを買いました。
入院してから、初めて楽しい一日でした。
河本博士に1ヶ月ほどしたら病院に帰ってくることを告げると、
十分に注意するようにしてくださいと
一時退院の許可を出してくださいました。
しかし、右目にも症状が出ているので、
体を安静にするように言われました。
久しぶりに郷里に帰れると喜んでいた気持ちが
いっぺんに吹き飛んでしまいました。
よく朝、恒太郎が郷里に帰ることを知った友達が、
たずねてきました。話している内に右の目がいつもとちがうのを
感じ始めました。友人の顔が曲がって見えるのです。
恒太郎は、友達が帰るのを伸ばしたらどうだろうと、
心配してくれているので、悩みましたが、帰ることに決めました。

 

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新橋駅から汽車に乗り、よく朝、京都駅で下車しました。
京都で開かれていた第4回内国勧業博覧会を見学しました。
日本の産業について様々な日本の産物が展示されていたからです。
今見ておかないと、いつの日にまた見ることができようかと、
熱心に見て回りました。
そして、京都を発ち、松山の停車場に着きました。
二人の子どもたちが迎えてくれました。
むすめの富子が着物の袖につかまりましたが、
はっきり見えません。むすこの俊造が手を伸ばしてくるのも
かすんで見えません。
むねがつまり、涙が流れるばかりでした。

 

参考文献
えひめこどものための伝記第3巻(愛媛県教育会発行) 
       我が村(青潮社出版部発行) 
         一粒米(青葉図書発行)
       わたしたちの余土・余土百年のあゆみ(松山市立余土小学校発行)
挿絵:出典
 えひめこどものための伝記第3巻(愛媛県教育会発行)


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